●マヌエル・バビローニ第6回
国際ギター講習会レポート
(2001年4月28日、29日)





 96年から定期的に行なわれてきたバビローニの国際ギター講習会も第6回を迎えることになりました。主催はカステジョン・ミュージック・スクール"Tres per Quatre"で4月28日、29日にカステジョンで行なわれました。

 3年前から定番になってきている3カ月ごとの講習会(A,B,C)は、前前回のAは昨年の11月、前回のBは今年の2月、そして今回は4月28日29日に行なわれました。
 特に今回は28日の午後にカステジョン市役所とダバロス−フレッチェル財団の協力を得てこの1年間の成果を発表する生徒達のコンサートが開かれました。

 当然コンサートのある日の午前中も授業はあり、最終チェックをすることになります。バビローニの長い演奏家としての経験が、緊張を隠せない若い未来の演奏家達の心情を的確に掴み、人前で弾くことの恐怖感を少しずつ取り除いていく授業は何か信じられないものがありました。 また本番の演奏中に集中力を途切れさせないために、作品中にいくつかの基準点を作って暗譜の再確認をするなどの工夫も感心させられました。

 1部と2部に分かれたコンサートには11人中6人の日本人留学生が演奏しました。前半、David Splinter(アメリカ合衆国)〜パッサカリア<ド・ヴィゼー>、Blai Pere(カステジョン)〜組曲ト短調<S.L.ヴァイス>、中村千鶴子〜前奏曲第4番<ヴィラロボス>、荒木雄図〜ファンタジア<ジェラール>、大槻崇〜ディプソ<アセンシオ>、Elena Rius(カステジョン)〜ソナタより第1、第2楽章<トゥリーナ>。後半は諏訪和慶〜ソナティナよりアレグレット<トローバ>、エチュード第11番<ヴィラロボス>、Francisco Nomdedeu(カステジョン)〜タレガ賛歌<トゥリーナ>、柳真一郎〜ワルツ・イサベル<タレガ>、ファンダンギージョ<トゥリーナ>、Oscar Ebro(カステジョン)〜前奏曲、ガヴォット1、2 BWV.995<J.S.バッハ>そして最後に東隆幸〜祈りと踊り<ロドリーゴ>を演奏しました。
 午後7時から始まったコンサートは、時が経つにつれて少しずつ埋まっていき、後半開始の時までには8割方の席が埋まっていました。今年からはダバロス−フレッチェル財団の所有する、カステジョンでは近代的なホールの使用で、音響は抜群で、ギターには大きすぎず、小さすぎずとてもすばらしい空間です。このコンサートはスタッフたちの暖かい協力を得て大成功に終わりました。特にバビローニ夫人のMartaには心から感謝しています。

 6年前の第一回からこの講習会にはすべて参加しましたが、必ず新しい発見があり、いつも良い刺激になりました。10月には帰国するためこれが最後になるかも知れないと思うと、何か特別な感情が沸いてきます。もっともっとこの講習会も回数を重ねて、またいつの日にか戻ってこれればなあと思います。

ダバロスーフレッチェル財団のホールでのリサイタル