● 第2回カステジョン
国際ギター講習会
(1997年2月28日、3月1日)


 95年にデビューアルバム「リサイタル」を発表したマヌエル・バビローニのマスタークラスが2月28日、3月1日の2日間、カステジョンのTres per Quatreで行なわれました。
 日本人の受講生は現在アルコイでホセ・ルイス・ゴンサレスのもとで学んでいる藤井浩とアリカンテ音楽院生の筆者の2人。またスペインの各地から10余名の若きギタリストたちが集まりました。
 実演を交えたバビローニのマスタークラスは音色の重要性、いかにメロディーを歌わせるか、カタチより音色を常に強調し、「もし右手のタッチを工夫して3,2,1弦の音色を限りなく同一にすることができれば、左手の運指は必要最低限の動きで決めることができる」と、その練習法も実演で説明しました。またメカニックな面ではメトロノームの効果的使用法、ヴィブラートの正確なかけ方など、逆に言えば、新しいことは何もないようで、しかしその基本的なテクニックをだいたいで済ましていたばかりに「弾けているけど何か足りない」と言う問題を抱えている人が意外に多いこと、基礎テクニックの重要性も再確認させられました。
 この他にも興味深いテーマは数多くあり、ここで全てを説明できないのは残念ですが、8月にマヌエル・バビローニ初来日公演がマスタークラスと同時開催予定になっていますのでぜひ参加してみてください。