さる2月19日、20日、日本へも4度来日しているマヌエル・バビローニによる国際ギター講習会がスペインのカステジョン市で行なわれました。この講習会は96年から定期的に開催され、カステジョン市役所とダバロス-フレッチェル財団後援により10回目を迎えることになりました。
その最大の特徴は1年間に3回(A,B,C)に分けてあり、前回のAは昨年の12月、今回のB、そして第3回目のC(今年は5月28,29日)ではカステジョン市役所とダバロス-フレッチェル財団の協力を得て参加者の中で選ばれた生徒達のコンサートが開かれるのが習慣になっています
私はこの講習会に留学中、第1回から第6回まで毎回参加し、数多くのことを学びました。また、そこで知り合った友人たちとは今でも交流があります。2001年に帰国してからは、残念ながら参加出来ずにいましたが、今回は第10回の記念会なので、スケジュールを調整し4年ぶりに参加しました。そして今まで参加してきた生徒からバビローニと夫人のマルタに感謝の意を込めて記念プレートを、また以前に参加したことのある日本人受講生による寄せ書きを贈りました。
この講習会ではバビローニがリサイタルをすることはなかったのですが、今回は記念会ということで特別に2月18日市役所と財団後援による「国際ギター講習会 第10回記念 マヌエル・バビローニ ギターリサイタル」が同財団所有の多目的ホールで開かれました。プログラムは演奏順に、前奏曲第5番、ト調のマズルカ、マリーア、アラビア風奇想曲、ワルツ「二人の姉妹」<以上タレガ>、6つの練習曲(4,8,9,10,11,12番)<ビラ=ロボス>、8つの小品(プレアンブロ、オリベラス、シグエンサ、セレナータ・ブルレスカ、夜想曲、ファンダンギージョ、古い伝説、マドローニョス)<モレノ=トローバ>、ブエノスアイレスの冬<ピアソラ>。アンコールでは、くまんばち<プジョール>、アストゥリアス<アルベニス>、タレガへの哀歌<フォルテア>でした。コンサートの様子は翌日の新聞「Mediterraneo」に次のように評されました。「バビローニは芸術性を余す所なく発揮し、素晴らしいコンサートで聴衆を魅了した。」
10年間で、受講生は海外(日本、アメリカ、ポルトガル)から、またスペインの各地から集まり、その中には現在活躍している若いギタリスト達を輩出しています。またその多くは今も定期的に参加しています。バビローニはミュージック・アカデミー"Tres per Quatre"で行われるこの講習会でカステジョンに国際的に認知され確固とした「ギター教育の場」を創りました。
今回4年ぶりに参加してみて、若い世代へ今までと変わらない親密な雰囲気が受け継がれている事が良く分かりとても嬉しかったです。カステジョン滞在の最終日には同市に眠るタレガやフォルテアのお墓参りにも行ってきました。